短期間で髪を増やすため髪の仕組みを知ろう!
髪の毛というのはもちろん僕達の体の一部ですので、生物学的根拠に基づいて成長をしています。その髪の毛を短期間で効率的に増やすためには、「髪の毛の構造」や「発毛のメカニズム」を理解することが非常に大切です。髪の毛の状態や性質に応じたピンポイントの育毛対策を施す事で、髪の毛の成長スピードを格段には速めることが可能です。逆に、不適切な育毛対策を行うと頭皮に負担をかけてしまい、ハゲを促進することにもなりかねません。
髪の毛の仕組みを正しく理解して、無理なく効率的な育毛対策で、短期間で髪を増やしていきましょう!
髪の毛の構造
髪の毛は人類が進化を遂げる中で、皮膚(頭皮)が変化してできたものといわれます。そのため髪の毛の基本的な性質は皮膚と似ており、タンパク質が主要構成成分である点も同じです。
髪の毛が皮膚と異なる点としては「神経がないこと」があげられます。髪の毛は痛みや温度を感じることがありません。これは髪の毛が常に太陽光や外気の刺激を受けているからだと思いますが、それゆえにヘアカラーやパーマで髪の毛が傷んでも、そのことを自覚することができません。
また、髪の毛は「再生しないこと」も皮膚との大きな違いです。髪の毛は一度傷むと元にもどることができません。
傷んでいる事に気づかず、再生する事もありませんので、髪の毛には常日頃から極力負担をかけないことが大切です。
その髪の毛の構造は、頭皮から外側の「毛幹部」と内側の「毛根部」の二つに分けられます。
毛幹部
毛幹部とは頭皮から外側の出ている部分で、僕達が日頃“髪の毛”と認識している部分です。基本的にはタンパク質でできていて、「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」という3層構造になっています。
キューティクル
キューティクルは毛幹部の最表面層です。固いタンパク質でできていて、魚のウロコのような一片が何枚も貼りついているような状態になっています。
コルテックス
毛幹部の中間層で髪の毛の8〜9割を占めています。キューティクルと同じくタンパク質でできているのですが基本形状は繊維状です。それが規則正しく入れるされているため、非常に高い強度を保っています。コルテックスにはメラニン色素が含まれており、このメラニン色素の種類や量によって髪の毛の色は決まってきます。
メデュラ
毛幹部の中心層で、タンパク質と若干の糖質からできています。メデュラの働きは今のところ明確にはなっていません。しかしながら、産毛状態の赤ちゃんにはメデュラがなかったり、髪の薄い男性はメデュラが切れていたりするため、髪の毛の強度と何かしらの関係があるだろうといわれています。
毛根部
毛根部は頭皮から内側の髪の毛をさします。
毛根部の先端は丸く膨らんでいて「毛球」といい、「毛包」という鞘で包まれています。毛球内で髪の毛は作られ、中には「毛母細胞」という髪の毛のもととなる細胞があります。毛母細胞は毛乳頭からの指令を受け、細胞分裂を繰り返すことによって毛髪細胞を生成します。
「毛乳頭」は、毛母細胞の細胞分裂指令を出すことに加え、頭皮周辺の毛細血管から毛母細胞分裂に必要な栄養・酸素を受け取り、毛母細胞に供給するという、重要な役割があります。
毛母細胞分裂によって作られた毛髪細胞は徐々に頭皮外へ押し出されていき、“髪の毛”として生えてくるのです。
ヘアサイクル(毛周期)
日本の成人男性の髪の毛はおよそ10万本といわれます(個人差はあります)。それらの10万本の髪の毛は永久に成長するわけではありません。「ヘアサイクル(毛周期)」という、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでのサイクルを繰り返すことによって、僕達の髪の毛は維持されているのです。
ヘアサイクルは次の3つの状態を繰り返します。
1.成長期(約2〜5年)
「成長期」とは、毛根が1本の髪の毛を作るため毛母細胞分裂を続ける期間です。毛乳頭から発毛指令を受けた毛母細胞は成長期に突入し次々に毛母細胞分裂を繰り返します。成長期は約2〜5年の間続きます。10万本ある髪の毛のうち、80〜90%が成長期の状態です。
2.退行期(約2〜3週間)
成長期で活発に行われていた毛母細胞分裂が徐々に弱まっていく期間が「退行期」です。髪の毛の成長も徐々に弱まっていきます。退行期は約2〜3週間続き、髪の毛全体の1〜2%程度がこの退行期の状態です。
3.休止期(約3ヵ月)
毛母細胞分裂を完全にストップさせ、新しい髪の毛を生やす準備をする期間が「休止期」です。休止期に入ると、髪の毛は毛乳頭から自然に切り離されて脱毛します。髪の毛全体の10%程度が休止期の状態です。休止期で休息をとり、十分な栄養を蓄えた毛根は、再び成長期へと突入します。
髪の毛はこの3つの状態を繰り返して成長します。休止期を迎えた髪の毛は次々に脱毛しますが、健康な頭皮はそれと入れ代りで新しい髪の毛が生えてくるので、常時10万本の髪の毛を維持することができるのです。
しかし、血行不良やストレスなど、正常な発毛サイクルを阻害する要素があると、成長期を十分に過ごせなかったり、休止期から成長期に移行できない毛根が出てきます。そうなると、新しく生える髪の毛の本数を抜けおちる髪の毛の本数が超過し、ヘアサイクルバランスが崩れてハゲが進行するのです。正常な発毛サイクルを阻害する要素については「抜け毛の原因と短期育毛対策」を参照してください。
増毛をするにしても、育毛剤で自分の髪の毛を増やすにしても、頭皮や毛髪に負担をかけないようにするには髪の毛の仕組みの理解が不可欠です。短期間で髪の毛を増やすためにも、しっかり覚えておいてください!